「SINCE 1884」という文字を缶に堂々と刻めるブランドは、そう多くない。142年の歴史を持つ三ツ矢サイダーの、糖類ゼロ・カロリーゼロ版である三ツ矢サイダーZEROを隅々まで見ていく。
名前が示す通りの改称

この商品はもともと2019年に「三ツ矢サイダー ゼロ ストロング」として発売されたが、2024年3月に「三ツ矢サイダーZERO」へ改称・リニューアルされている。公式によれば中身は同じで、「ストロング」という言葉が名前から消えた後も強炭酸自体はそのまま維持されているという。Amazon.co.jp上には旧名称のままの商品リスティングも残っているため、購入時にはどちらの表記でも同じ商品を指していると考えて差し支えない。
原材料は炭酸水・酸味料・香料に、甘味料としてアセスルファムKとスクラロースを使用。エネルギー・糖類・保存料・カフェインすべてゼロで、三ツ矢サイダーらしい爽快な後味を保ちながらカロリーオフを実現するというのが商品コンセプトだ。
142年の歴史を背負う一本
三ツ矢サイダーの起源は1884年、兵庫県川辺郡多田村(現・川西市)の炭酸鉱泉水「平野水」にさかのぼる。英国人化学者ウィリアム・ガウランドがこの鉱泉を「理想的」と分析したことがきっかけで商品化され、1897年には皇室御用達にも指定されたという記録が残っている。

「三ツ矢」というブランド名は、平安時代の武将・源満仲が住吉大社の神託に従って三本の矢を放ち、矢の落ちた場所に居城を築いたという伝説に由来するとされている。「日本最古のサイダー」という通説は厳密には事実と異なるようだが、現存するブランドの中では最古級であることは間違いなく、それだけの歴史を背負った上でカロリーゼロ版まで作っているという事実に、ブランドの本気度を感じる。
味わいとゼロシリーズとしての完成度
通常の三ツ矢サイダーと比べると、糖類を使わない分だけコクの薄さを感じるという声もあるが、開栓時の香りや爽快なキレは三ツ矢サイダーらしさをきちんと踏襲していると評価されている。甘味料でしっかり甘さを補いつつカロリーゼロを実現している設計は、ゼロカロリー系炭酸飲料としてよくできている部類だと思う。
価格・入手性
250ml缶×20本のケースで、実勢価格はAmazon.co.jpで1,400円台。楽天やその他ECサイトでは1,300円台〜2,000円台と店舗によって幅がある。250ml缶のほか500mlペットボトル、1.5Lペットボトルの展開もある。

改称を経て現在も現行品としてしっかり販売が続いており、ブランドとしての存在感は健在だ。
140年以上前の鉱泉水から始まったブランドが、令和の今もカロリーゼロという形でアップデートを続けている。歴史の重みと時代への適応を両立させている、なかなか懐の深い一本だと思う。
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