ビールでもノンアルでもない、北海道富良野ホップ炭酸水という第三の選択

コーラでもサイダーでもプレーンな炭酸水でもない、「ホップの香りと苦味だけを炭酸水に閉じ込める」という発想の飲み物がある。ポッカサッポロの「北海道富良野ホップ炭酸水」だ。ビールの主原料であるホップを使いながらアルコールもビールらしさも狙わない、ちょっと変わった立ち位置の一本を隅から隅まで見ていく。 ポッカとサッポロ、ふたつの飲料事業が合流してできた一本 ポッカサッポロ 北海道富良野ホップ炭酸水 500ml×24本Amazonで見る → この製品を作っているポッカサッポロフード&ビバレッジは、その名の通り「ポッカ」と「サッポロ」が合流してできた会社だ。缶コーヒーやジュースでおなじみのポッカコーポレーションを、ビール大手のサッポロホールディングスが2011年に子会社化し、2013年にサッポロ飲料・ポッカコーポレーション・北海道ポッカコーポレーションが合併してポッカサッポロフード&ビバレッジが発足している。 異業種同士が一つになったことで、ビール会社が長年培ってきたホップの育種・栽培ノウハウを清涼飲料に応用できる体制が整った。本製品はまさにその産物で、初回発売は2022年3月、2024年3月にパッケージを一新して全国発売という形で展開されている一本だ。 富良野ホップという素材の背景 原材料表示は「ホップエキス(国内製造)/炭酸、香料」とシンプルだが、ここでいうホップは北海道上富良野町産のもの。上富良野町は1923年にホップ栽培が始まった、国内でも有数のホップ産地で、サッポロビールは開拓使麦酒醸造所の時代からこの地でホップの栽培・品種改良に取り組んできた歴史がある。本製品にはサッポロビールが育成した「フラノビューティ」という品種のホップエキスが使われていて、サッポロビール自身も上富良野産ホップを使った限定ビールを展開するなど、この産地への力の入れようが伝わってくる。 香料はホップ本来のフルーティーな香りを補強するために使われているとのことで、天然素材だけに頼らずしっかり香りを立たせにきている設計だと感じた。 味わい — 苦味は控えめ、香りの方が主役 飲んでみての第一印象は、想像していたよりも苦味が穏やかだということ。ビールのようなガツンとした苦味を期待すると拍子抜けするかもしれないが、その代わりにマスカットを思わせるフルーティーで爽やかな香りが鼻を抜けていく。炭酸自体は強すぎず、ゴクゴクと飲めるタイプで、後味もすっきりしている。 無糖・ゼロカロリーという表示通り甘さはまったくなく、食事の合間に飲んでも重たくならない。個人的には単体で飲むよりも、チューハイやハイボールの割り材として使うほうが持ち味が活きる気がした。ホップの香りが酒の風味と噛み合って、一段階複雑な味わいになる印象だ。一方で、香りの強さについては好みが分かれるポイントだと思う。もっとホップらしいクセや苦味を期待していると、思ったより大人しく感じるかもしれない。 ビールでもノンアルビールでもない立ち位置 この製品が面白いのは、いわゆる「ノンアルコールビールテイスト飲料」とは狙っている方向が違う点だ。ノンアルビールはビールの味・香り・のど越しを再現することを目指す飲み物だが、本製品はビールの再現を目的にしていない。あくまでビールの主原料であるホップそのものの香りと苦味を炭酸水に落とし込んだ、いわば「ホップウォーター」というジャンルの飲み物で、ビールでもノンアルビールでもない第三の選択肢として売られている。 ポッカサッポロ自身、30〜50代のビール愛飲者や休肝日を意識する層をメインターゲットに据えているそうで、たしかに「お酒を飲みたい気分だけど今日はやめておく」というときの受け皿として機能する飲み物だと感じる。実際、2025年の販売数量は前年比で6割ほど伸びているとのことで、休肝日需要やノンアル志向の広がりとうまく噛み合っている印象がある。 価格・入手性・現行性 500ml PETボトル単品の希望小売価格はおよそ140〜180円(税別)で、24本入りケースの実勢価格は3,000円前後が相場。今回参照したAmazonの取り扱い(24本入り)もこの価格帯に収まっている。 ポッカサッポロ 北海道富良野ホップ炭酸水 500ml×24本Amazonで見る → 流通はスーパー・ドラッグストア・通販と一通り揃っていて、2024年の全国発売から2年近く経った今も販売数量が伸びているところを見ると、生産終了や取り扱い縮小の気配は感じられない。ビールの主原料であるホップを、あえてビールから切り離して主役に据えるという発想自体が新鮮で、休肝日のお供や割り材として長く手元に置いておきたくなる一本だと思う。 苦味よりも香りで魅せてくるタイプのホップウォーターで、ビールの代替というより「ホップという素材そのものを楽しむ飲み物」として捉えるのがしっくりくる。単体でもいいが、個人的には酒の割り材として使ったときの相性の良さが一番印象に残った一本だった。 関連記事: サンペレグリノが世界のテーブルに選ばれる理由 · ヨサソーダの飲み切りサイズが正解だった理由 · サンガリア きれいな炭酸水、名古屋発のクセのない一本

2026年9月20日 · 1 分 · 35 文字 · kingsworksub-jpg

レモン2個分の酸味に振り切った、キレートレモン Wレモン

コンビニのレジ横で長年見かけてきた「キレートレモン」。あのブランドが展開している炭酸入りの「Wレモン」を、隅から隅まで見ていく。すっぱい系飲料の中でも際立って酸味が強いという評判が気になっていた一本だ。 ポッカサッポロという製造元と、25年続くブランド キレートレモン Wレモン 炭酸飲料 500ml×24本Amazonで見る → 「キレートレモン」の製造・販売元はポッカサッポロフード&ビバレッジ。よく似た名前の「C1000ビタミンレモン」はハウス食品グループのC1000ブランドで、こちらは全くの別会社・別ブランドなので混同しないよう注意したい。キレートレモンは2001年3月19日に誕生し、2026年で25周年を迎えるロングセラー飲料だ。「ビタミンCだけではないレモンの価値を届けたい」というコンセプトのもと、155mlの携行タイプを筆頭に、クエン酸を前面に押し出した機能性表示食品ライン、ゼリータイプ、そして今回取り上げる炭酸入りの「Wレモン」まで、ラインナップは意外と幅広い。Wレモンは2020年発売のサブブランドで、以後も売上を伸ばし続けているという。 「W」の意味 ― レモン2個分の果汁 Wレモンという名前の通り、通常のキレートレモンよりレモン果汁の配合量を増やしているのが最大の特徴。500mlあたりの果汁量はレモン2個分相当で、果汁率は15%。これに加えて炭酸を効かせ、500mlペットボトルという飲みやすいサイズに仕立てている。155mlの携行タイプが「サッと飲み切る」設計なのに対し、Wレモンは炭酸の爽快感も含めて、より満足感のある一本として作られている印象を受けた。 味わい ― 酸味の主張がとにかく強い 飲んでまず感じるのは酸味の強さだ。100mlあたりビタミンC200mg、500ml1本あたりクエン酸3000mg・ビタミンC1000mgという成分表示を見ると、この酸っぱさにも納得がいく。甘さは控えめで、レモンの果肉感というよりは果汁そのものの鋭さが前に出てくるタイプの味わいだと感じた。競合にあたるC1000ビタミンレモンと飲み比べると、あちらの方が甘みが立っていて飲みやすく、キレートレモンの方が酸味重視という違いがはっきりしている。どちらが好みかは完全に分かれるところだが、「甘い炭酸飲料に飽きた」というタイミングには、この鋭さがちょうどいい。 炭酸の強さについては、正直そこまで強烈ではない。酸味と苦みが先に来る分、炭酸の刺激は脇役に回っている印象で、強炭酸を期待して開けると拍子抜けするかもしれない。逆に、炭酸の刺激よりも酸味そのものを楽しみたい人には向いている設計だと思う。 どんな場面で飲むか キレートレモン Wレモン 炭酸飲料 500ml×24本Amazonで見る → 仕事や勉強の合間のリフレッシュ、運動後の一息、体調がすぐれない時のビタミン補給といった場面で選ばれることが多いブランドだ。焼酎やウォッカの割り材として使う飲み方への言及も目につき、酸味の強さがそのまま割り材としての個性になっている。「女性のココロとカラダの疲れに」という訴求も一貫して打ち出されており、疲労回復や気分転換の飲料というポジションを長年守り続けている。 パッケージと容量 500mlのPETボトルで、賞味期間はおよそ6ヶ月。コンビニやスーパーでは単品(200円前後)でも定番的に並んでおり、まとめ買い用の24本ケースはネット通販が中心という棲み分けになっている。2025年にはパッケージと味わいのリニューアルがあり、栄養成分がより分かりやすく記載されたデザインに切り替わった。ポッカサッポロは商品コードをリニューアルのたびに更新する運用をしているため、商品ページのURLが変わることがあるが、「Wレモン」というブランド自体は途切れず現行商品として流通を続けている。 価格・現行性 Amazonでは24本ケースがセール時に2,300〜2,600円台まで下がることがあり、1本あたりに換算すると100〜110円程度、コンビニでの単品価格より割安になる。定価表示が4,000円台からの値引きという形で出ていることも多いので、購入時は実際の販売価格を確認するのがおすすめだ。果汁炭酸市場全体が伸び悩んでいると言われる中でも、キレートレモンは例外的に好調なブランドとして業界メディアでも取り上げられており、2026年時点でも棚から姿を消す気配はなさそうだ。 甘さより酸味を取りたい人向けの、はっきりした個性を持つ一本だと思う。万人受けを狙うというより、酸っぱいものが好きな人にまっすぐ刺さる作りが、このブランドが25年続いている理由のひとつなのだろう。 関連記事: 禁酒法時代を生き延びた甘口、カナダドライ ジンジャーエール · カナダドライ ザ・タンサン ストロングは泡だけで勝負する · 「史上最強」の泡は本当か?アイシー・スパーク from カナダドライ レモン · キリンレモン 炭酸水が無糖で受け継ぐ1928年の透明感

2026年9月20日 · 1 分 · 44 文字 · kingsworksub-jpg